「オーダーメイドって想像がつかずソワソワ。でも想像以上で不思議な気持ち」そうたくんのおうち
「1歳の息子が亡くなって2ヶ月経ちました。
まだまだ甘えん坊だった息子さんを1人でお墓に入れるのがどうしてもイヤで、
手元供養にはどんなものがあるのか探していた時にたどりつきました。
とてもぬくもりがあり、求めていたものに近いなと思い連絡させていただきました。」
とお問い合わせをいただいたご夫婦と作り上げた、「そうたくんのおうち」をご紹介します。
初回のご相談:「まだ何も考えられなくて・・・」
Mさんご一家は東京都にお住まいなので、打合せはすべてzoomを作って行われました。
ご夫婦に加え、3歳のお姉ちゃんと生まれたばかりの弟君もご参加でした。
お姉ちゃんは画面に興味津々で、時々どアップになるお姉ちゃんがめちゃくちゃ可愛かったです😆
ご夫婦ともに今、一番思っている事をお伺いしました。
火葬から帰って来たままの祭壇の感じがとても違和感で、見ているだけで悲しくなるんです。
しかもオーダーメイドって想像つかなくて・・・どんなことができるのか・・・・
ショックでまだ向き合えていません。何も考えられない状態です。非日常に行ってしまっている感じがするので、近くに来てほしい。。。
お二人から「そうたくんを近くに感じたい」というお気持ちと、
オーダーメイドに対するご不安がとっても伝わってきました。
分かります。私も、出来上がるまではどんなものができるのかお伝えできません。。
一緒に考えて作りだしていくんですよ。一緒にたくさん考えましょうとお話させていただき、
・どういうカタチであれば、そうたくんを感じられるのか
・何をしてあげたいか
・どんな家族像を描いているのか
・姉弟にどのように関わってほしいか
などをゆっくりお聞きしました。
そうたくんのいない現実から、先の未来なんてまだまだ想像つかないご様子も伝わってきましたが、
一つずつ丁寧に言葉にしていただきました。
そうして出てきたイメージは
「遊び場」
ステキ〜!😍
遊び盛りだったそうたくんが、安心して遊べるように。
これからお外遊びをいっぱいしようと思っていたとのことで、
そうたくん専用の遊び場を作ってあげることになりました。
「おうち」があって、外に「遊び場」があるイメージと決まりました。
デザインが決まりました:すべり台、ぶらんこ付きのお庭
何度かのスケッチのやりとりを経て、最終デザインが決まりました。
遊具はなににするのか、おうちの形や色、周りに配置したい小物など、
細かく決めましたよ〜。
そして、そうたくんが一緒に遊ぶ相手は2匹のネコになりました。
デザイン、とても可愛く、ついそうたが遊んでいる姿を想像していまいました。。今から楽しみです😊どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
三毛猫・トラ猫どうやって作る!?
さて、いよいよ制作です。
その前に、ねこズの形は決めたものの、色味はまだでした。
ご希望をお伺いしたところ、このようなお返事が!
実は先日、飼っていた18歳の猫が亡くなりました。
そうちゃんも大好きで一緒に寝たりじゃれあったり、いつも一緒にいた子でした。
可能でしたら、その子が三毛猫だったので三毛猫っぽくするのは難しいでしょうか?
もう一匹は3年前亡くなった茶トラにできればと思っています。お空で一緒にいてくれたらなぁと思うので、可能でしたらお願いしたいなぁと・・・
何度かのzoomでの話し合いの時に、その三毛さんにはお目にかかっており、
しかも、そうたくんがその三毛さんのしっぽをかじっていたというお話も伺っていたのでした。
なんと!そうだったのですね・・・
それはなんとかしたいですね。
というわけで、ねこズのお写真を見せていただくことに。。。
😱😱😱
お〜!ムズカシイー😬
ちょ〜っとお時間くださいっ😭
ですよね〜💦すみません。
茶トラの方、ちょっとぽっちゃり風だと嬉しいです。
お腹たるめてみたりとか。。。😆
この大喜利のような瞬間が、好きといえば好きなんですけど、
ハッと我に返ると泣ける・・・😭
どうやって、三毛猫作るねん!トラ猫って・・・😭😭😭 ←しかもネコに詳しくない💧
ですがそこは、あるみのヘンタイの血がざわざわと集結し始めるワケで・・・
アトリエの秘蔵の棚から、それらしい木目の木を探し(茶トラ用)
3色をどう配色してシルエットに入れ込むのか(三毛用)を
原寸大のスケッチでシミュレーションするのですよ。
こういうスケッチはどこまで伝わるのか、毎回私自身も未知数なのですが、
これ以外の術がないのですよ〜。ここはもう想像していただくほかありません。。。🤭
ということで、全てのデザインが決まりましたので、
今度こそ制作にとりかかりますよ〜。
制作が始まりました:きょうだい達も一緒に遊べる仕様に
材料がそろったら、さっそく開始です。
刻々と表情を変えていきます。
遊具なんかも出来てきました。
何か一つ形になる度に、お写真をお送りするのですが、
これでもなかなか、全体像はつかみにくいだろうなぁ。。。と思います。
お名前も切りだして、そのままおうち本体の上に乗せてみました!
箱もできてきましたよ〜。
いろいろ揃ってきたので、集合ー!!
だんだん賑やかになってきましたよ〜。
そろそろ難関のねこズにとりかかります😊
本当ですね!すごい!
ねこズもどうぞよろしくお願い致します!!
ねこズですよ〜❤️
ねこズすごいです!
難しいのにありがとうございます(´;ω;`)夫婦で感激です(笑)
これでひとまず作るものは出来ました。
あとは磨いたり、オイルを塗ったりと、仕上げの作業にはいります。
完成間近!!
ついに完成!
そうたくんの遊び場です。
すべり台、ブランコ、段々の階段、よじ登るフェンス、木登りできる大きな木、2匹のねこズ。
そして、そうたくんのおうちです。
そうたくんの周りで楽しいことが繰り広げられそうです〜😆
さっそく待ち望んでいるMさんご夫婦に写真を送ると、
ものの数秒でお返事が!
!!!!
写真だけで凄く感動です。
すごいです!
かわいい!(´;ω;`)
そして、楽しそう❤
その反応だけで私はめちゃくちゃ嬉しゅうございます😭
そしてさらには
なによりねこズがのびのびしてますね(笑)
にゃんてこった
😭😭😭
ご、ご主人、そんなキャラでしたか〜😆
そんなに喜んでもらえてカンゲキです😭😭😭
完成したものを見てもらう瞬間というのは、いつでも緊張するものなのですが、
こういう反応をしてもらえると、腰が抜けそうなほどホッとするのであります😊
そうたくんのおうちを丁寧に梱包して、
いよいよお父さんとお母さんの元へお届け。
早速届きました!
すごい存在感!とっても嬉しいです(><)娘も喜んでおります😊
ねこズ、やはり実物を見てもすごい、、、難しいお願いに応えていただき大満足です😊
ねこズをそんなに見てもらえて、もう嬉しいったら。
そしてお姉ちゃんの嬉しそうな表情がさらにキュン。
お姉ちゃん、3歳だそうで、
ちょうどウチの息子が亡くなったときの娘の年齢と同じです。
いつまでも心に弟はいて、一緒に大きくなるんだよね。
完成までは、出来上がりが想像つかずにソワソワと落ち着かなかったことと思います。
これからは、お姉ちゃんと、弟くんとずっと一緒に家族の想い出を増やしていけますように。
たましいのおうち体験についてお伺いしました
なぜ「たましいのおうち」を作ってもらおうと思いましたか?
いかにも、というのは置きたくなかったです。
悲しくなるし、まだ1歳だった息子には息子らしくいてほしかったから。
ほかにも色々検討しましたが、「たましいのおうち」が一番しっくりきました
完成するまでどのようなお気持ちでしたか?
主人と話し合ってお願いしましたが、いまいち想像がつかず、
でもはやくできあがらないかなとソワソワしていました。
できあがってどのようなお気持ちですか?
とても嬉しかったです。
想像以上で、とてもしっかりずっしりしていて、
うまく説明できないですが、ほっとしたような、不思議な気持ちでした。
このご縁の中で、心に残っている事はなんですか?
最初の話し合いの際、「使命を全うしたんだ。だから褒めてあげなきゃ」とおっしゃっていたのがとても心に残っています。
まだなかなかそう思えない自分もいますが、この先褒めてあげられる日が来たらいいなと、思います。
後日談:身近に感じられて落ち着きます
1ヶ月後。
今、こんな感じで賑やかです〜!
というお写真が送られてきましたー😆
そうたくん、お姉ちゃんにいっぱい遊んでもらって、
すっかりなじんでいる感じが伝わりますね〜😊
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。