「毎日漠然と話しかける落ち着かない日々から、新しい想い出ができる楽しみができました」るりちゃんのおうち

子ども 手元供養 仏壇 たましいのおうち

亡くなってから3週間も経っていないという状況の中で、ご相談に来られ、

これからどうしていけばいいのか分からないけれど、

るりちゃん(娘ちゃん)のために、居場所を作ってあげたい。

とお考えのご夫婦と供に作り上げた「るりちゃんのおうち」をご紹介します。

初回のご相談

ママ

「一人娘を突然亡くし、なぜ自分達の娘が亡くならないといけなかったのか、

どうしてあげればよかったのか、

これからもっと一緒にいたかった、もう一度会いたい

という苦悩と悲しさが今現在ですが、

いつも身近に自然な形で娘を感じられ、前を向いていけるようにしたい」

ご夫婦で最初にご来店された時におっしゃっていた言葉です。

これからどうしていけばいいのか分からないけれども、

毎日娘を感じられる居場所を作ってあげたい

とのことでした。

やってあげたい事を全部お聞きしました。

・形式的なものは余計に悲しくなるのでそういう風にしたくない(ママ)

・自然な形で話しかけたい(パパ・ママ)

・動物や葉っぱが好きだったので、好きな物に囲まれて過ごさせてあげたい(ママ)

・親としてやってあげられる事はやってあげたい(パパ)

・写真を飾りたい(ママ)

・とびらを付けたい!(パパ)

・大切な書類を一箇所にまとめたい(パパ・ママ)

・フレンチブルドッグとゾウさんを作ってほしい(ママ)  etc…

それから全容を決めます

そこから、大きさや形、おうちの部屋数、本体や屋根の色、

とびらの形、色、デザイン

などなど、ご希望を全部お伺いし、

ざーーーっくりとした全容を決めました。

なぜ「たましいのおうち」を作ってもらおうと思いましたか?

パパ

毎日どのように過ごせばいいのか分からず、
インターネットで同じ境遇の人をさがしていて
「たましいのおうち」を知り、
娘の居場所を親として作ってあげたい、
娘を感じられる場所がほしいと思ってお願いしました!

ママ

大切な娘が突然亡くなり、
仏壇とか形式的なものを見ると余計に悲しくなりそうで、
娘に似合ったかわいらしい形で
毎日話しかけてあげたかったから。

スケッチが出来上がりました

再びご来店いただき、スケッチを元に細かいデザインを決めていきました。

ここで、ママからのオドロキの相談が!

「るりちゃんのために、

何か、屋根の一彫りでもいいのでやりたいんですけど、やらせてもらえませんか??」

な、なーんと・・・・

想定外のオファーにたじたじしつつ、

でもお気持ちめっちゃ分かります。。

「そうですよね!やりたいですよね!やりましょう!」

とは言ったものの・・・何ができるか・・・

そこから急遽、できること、できないこと、木工のスキル、

できればパパにも参加してもらいたい、、、、

などなどお伺いし、、、

とびらに付ける名前

「RURI」の文字を、

糸ノコで切り出す → やすりがけ → みつろうを塗る

という作業に参加する事になりました。

思い切って聞いてもらえて、こちらも嬉しかったです。

私が逆の立場だったとしても、絶対にやってみたいと思ったはずですから!

ママ

今日もいろいろお話させていただいてありがとうございました。
デザインも思った通りで、一緒に作業に手を加えることも許してくださり嬉しいです。

今日、お話する中で、娘を亡くしてまだ日が浅いのに
ムリして前に進まなくていいんだと
背中を押してもらえて、少し気持ちが楽になりました。

制作が始まりました

少しずつ進む制作の様子は、お写真でお送りしています。

完成まで、るりちゃんの事を考える時間を少しでも楽しんでもらえればと思い、

「RURI」の文字を切り出す前に、

デザインをしてみませんか?と提案しました。

ママ

デザインまでさせていただけるんですか!?
もちろんやりたいです!

るりちゃんのために時間を使えるのが今は一番なので、
思ってもみなかったご提案で嬉しいです。
より楽しみが増えました!

ということで、ママには文字のデザインから考えてもらう事になりました。

何パターンもの下絵を書いてもらい、パパも一緒に考えてもらい、

どのパターンでいくのかしぼりこみ、

そこからさらにブラッシュアップさせていき、

全体がまとまるように、高度なテクニックもお伝えしました。

その間にも、おうちの制作は着々と進んでいきます。

進捗確認と文字デザインの打合せ

徐々に形が見えてきたところで、再度ご来店いただき、

途中経過を見ていただきました。

全体のイメージをふくらませたところで、

「RURI」の文字デザインをさらに詰めていきました。

妥協をしないママ。納得いくまでヤル姿勢がスバラシイ〜!

そして見守るパパ。たまに手を出す。

なんだか、とてもよい光景でした♡

そんな、なんやかんやを経て、

RURIにくっ付けるモチーフは、

るりちゃんが大好きだった「いちご」に決定。

いちご。

ヘタや、つぶつぶが、

切り出すには、結構高度なテクニックを必要とするけど、

ママは俄然ヤル気!

あるみ

最終的には、私が絶対にナントカしますから!
やってあげたい事は全部やりましょう!!

初めての糸ノコに挑戦

娘のために母ががんばる日がやってきました。

糸ノコは初めて。

「この機械はどういう風に動くんですか?」

というところからのスタートです。

もうやるしかない!

あらかた説明して、ちょびっと練習して、早々に本番です。

きゃーきゃー言いながらやってましたけど、

本当に初めてデスカ!?

って言いたくなるほど、お上手!

難関の「いちご」もクリア!

すごーすごー!

とびらの上に早速乗せて見ました。

イメージ湧きます。

ママ

今日はありがとうございました。
大切な機械も初心者の私に使わせていただきありがとうございます。

久しぶりに充実した時間を過ごせましたし、実際に自分で作ってみて、
思い入れがより強くなったので挑戦できてよかったです!
本当にありがとうございます。

パパも自分で作業したら絶対気持ちが違うと思うので、
パパのできる作業も考えていただいてありがとうございます。

この日切りだした文字は、持ち帰ってもらい、

今度はご自宅で、パパに、

やすりがけ → みつろうを塗る

作業をしてもらいます。

制作もまだまだ続きます

おうち本体の次は、

屋根を作って、掘って、窓を開けたり、

犬小屋を作ったり、

フレンチブルドッグとぞうさんも仲間入りです。

オイルで仕上げて、

後はRURIの文字を貼るだけです。

ママ

この前実際に作業させていただいて、想像を超えた技術の難しさや、
手間と時間をかけた工程が見えて、
るりちゃんのおうちがより価値があって大切なものだと思えました!

ついに完成

とうとう完成しました!

パパもママも参加して、一緒に作り上げた、

「るりちゃんのおうち」です。

受取にご来店されたお二人が、

早速、写真を入れて語りかけている姿が印象的でした。

ママ

本当にありがとうございました❤️
おじいちゃんおばあちゃんも、
「るりちゃんが帰って来られる居場所ができて嬉しい」
と言っていました!

帰ってから早速arumitoyアニマルを集合させてみました!
より楽しそうでいい感じです。

また季節ごとにたくさん賑やかにしていきたいです!

「たましいのおうち」体験はいかがでしたか?

娘さんの「たましいのおうち」を実際にご依頼されたお二人にお話をうかがってみました。

出来上がってみていかがですか?

パパ

今まで漠然と毎日娘に話しかけたり、
家のどこかにいると思いながらも、
娘らしい居場所がなく、落ち着かない気持ちでしたが、
細かく相談させてもらい、
一つ一つ娘のためにしてあげた達成感があります。

家族としての想い出が一つ増えた気がします。

ママ

自分達がどう過ごしていけばよいか、
これからどう関わっていけばよいか分からず、
トンネルの中をずっと歩いているような感覚でしたが、
想像以上に立派なお家で、なにより嬉しい♡
一生ものの娘のおうちが出来上がったと思いました!

出来上がる前と、お気持ちはどのように変化しましたか?

パパ

娘のためにしてあげるものであり、
家族全員で制作に関わることができたのは大きかったです。
実際に家に置いてあげて、また新しい想い出ができそうと思えます。

ママ

少しずつ出来上がりの様子を見たり、
そうして娘と日々向き合っていく間に、
自分の考え、受け止め方に変化がでてきました。

「たましいのおうち」はどのような方におすすめですか?

パパ

亡くしてしまった方の居場所が欲しい、見つけたい方。

家族としてみんなで何かしてあげたいと思っている方に。

ママ

大切な人やペットを亡くされた方。
その方に何かしてあげたいと思う方。

喪失感から前を向いていきたい方。

このご縁の中で、心に残っている事はなんですか?

パパ

毎日沈んでいた中で、おうちを作るという家族の目標ができ、
前向きになれ、すごく貴重な経験をさせていただきました。

単身赴任であるためあまり制作には関われないかなと思っていましたが、
その一部に関われ、妻もこのアトリエがあったことで、
気持ちが変わってこれからも前向きになれそうです。

ママ

おうちを一緒に作らせてもらえた事。

達成感もあったし、出来上がった時により愛着があり、
大切なお家に感じられました。
本当にありがとうございました。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。