「母として双子の娘にもう少し何かしてあげたい」あおはるちゃんのおうち

早産で双子の娘が産まれたのですが、二人とも約1ヶ月で亡くなってしまいました。

今は仕事も復帰して日常生活を送っていますが、悲しみと喪失感の波が周期的に押し寄せます。

自分の妹もちょうど同じ時期に元気な赤ちゃんを出産していて、妹や姪の姿を見て辛くなるときもあります。

娘たちをいつも近くに感じていたいくて、

そして母として双子の娘にもう少し何かしてあげたいです。

とご相談のMご夫妻と創り上げた、あおはるちゃんのおうちをご紹介します。

初回のご相談:「誰にも話ができなくて、大丈夫なふりをしています・・」

同じ時期に妹さんが出産し、里帰りで実家におられ、

お母様は姪っ子のお世話につきっきり。

ママは小児科医。パパも別の科にお勤めで、

職場の方は全員あおはるちゃんの経緯をご存知。

さらにママは職場で子ども達に囲まれているという状況。

ママ

同僚にも母にも友達にも話せなくて、

大丈夫なふりをしています。

友達も出産前後だったりして気を使うし・・

ダンナさんがあっけらかんとしていて救われるけど

誰かに受け止めてもらえる感じがほしい・・・

パパ

そうなんです。ぼくにはそれができないから

同じ立場の話ができる人がいるといいと思うんです。

ぼくは職場でなんでも話しちゃうし、

同僚も理解してくれてるんです。

なんという試練。人生の試練が一気にやってきたような・・・

これをお一人で抱えている時点で、

ママはこれまで頑張り屋さんとして生きてこられたのが分かります😭

そしてここは、パパの出番です。

パパは実は生粋のフィギュアマニアだと言うことが判明👀

たましいのおうちのご要望をお聞きしているうちに、

フィギュアの紹介に・・・😆

パパ

この仲間達とあおはるちゃんを一緒に遊ばせたいんです。

あるみ

な、なるほど〜(🤣)

どんな子達がいるんですか??

パパ

モンスター(なんとか)とか、

シュレックの(緑色のやつ)とか、

コレとかコレとか..’\=;,l@$%^*….

でも形はおまえ(ママ)に任すっ✋

あるみ

わ、分かりました!

ママはそれでいいんですか⁉️(🤣)

ママ

はい。(いいんか〜い🤣)

形は天使みたいなイメージがいいんです🥺

あるみ

緑色の天使・・・とかにはしないですよね⁉️(🤣)

直前まで「誰にも話せなくて・・・」と泣いていたママですが、

もはや爆笑に変わってしまいました・・・😅

ご主人に救われるとおっしゃる意味がよく

分かりました😆

あおはるハウスのイメージは

天使を2体、お部屋のあるおうち、シンボルツリー2本、

そして入院時にコラージュしてもらったA4判の写真を飾れる背面板

という感じに決まりました。

初回のご相談を経て:大丈夫じゃなくていいんですね

ママ

今日はありがとうございました。

今思っていることを全て打ち明けることができて少し心が軽くなりました。ずっと誰かに話を聞いてもらいたかったんだと思います。

本当はもっとあおはるちゃんの事を話したいし、なかったことになってしまうのが一番いやだけど、周りの事を考えると自分からも話せなくて・・。

周りの幸せな話にどこか黒い思いが湧いてしまう自分が嫌で、そんな気持ちも誰にも話せなくて、いつも一番に頼っていた母にも全部は話せなくて・・・・・・

あるみ

黒くっていいんですよ!だって今は黒いんですもの!

そんなところ、自分にウソついてもしょうがないし、自分の中で黒くても他者には見えないんだから、今は黒くていいんですよ。

だって悲しいし辛いし、人は幸せそうに見える。

それのどこが悪いの?

悪くないし黒くていい。それが今の自分なんです。

ひとまずそんなご自分を受け入れてあげてください。

それが最初の一歩だから〜❣️

大丈夫って言い聞かせながら日々送っているけど、

全然大丈夫じゃないって気づくことができたとの事でした。

まずはそこからです。

全然大丈夫じゃないし、ソコは頑張らなくていいところですよ😆

デザインが決まりました

初回のご相談の時から、ずっと気になっていた事がありました。

周知の事実なのに、仕事でもプライベートでも誰にも話せない。

これは、ママに逃げ場がないという事。

事情を知らないのであれば、まだ、その時間はやり過ごせるとは思うのですが・・・

しかも職場で子ども達に囲まれるという・・・

これは職種は違えど私もそうだったので、その辛さが分かってしまいました。

かわいい赤ちゃんが目の前にやってくる苦しさよ・・・

ですので、Mご夫妻にどうしても提案したい事がありました。

↓コレです。

手のひらサイズの広場です。

せっかくあおはるちゃんの天使を作るなら、

ママの職場に一緒に行けたらいいんじゃないかと思って、

職場にあおはるちゃんの定位置を作ってあげたらどうかなと。

それがあることで、事実をご存知の周りの方々も、

「あら、先生、今日は一緒に出勤ですね。おはよう」

とか声をかけてもらえる気がするし、かける方もかけやすい。

と思ったのです。

誰かがあおはるちゃんにアメの一つでも置いてくれたりするかもしれないし。

そういう小さな事で救われる気持ちって、私も何度もあったので、

提案せずにはいられませんでした。

制作が始まりました

と言うわけで、ミニ広場も含め制作に取りかかります。

ひとまず、A4判のコラージュを飾りたいという背面板を作り、

これを元に全体の大きさを決めていくことにしました。

おうちの大きさを割り出してパーツを作っていきます。

ずんずん進みます。

シンボルツリーも切り出しました。

次はミニ広場やあおはるちゃんなどの小さいものに取りかかります。

あるみ

あおはるちゃんですよ〜❣️

ママ

可愛いー😊😊❤️

ありがとうございます✨✨

完成しました

まずはミニ広場が完成しました!

あおはるちゃん、身長3cm❤️

そして

あおはるハウス〜❣️

ママ

わーー!すごい!!

待望のあおはるハウス!!!

素敵です〜😆✨✨

ありがとうございます!!!

いつもいつもお待たせさせてしまう、たましいのおうちですが

待ちに待って喜んでいただけて嬉しいです〜😆

丁寧に梱包してすぐさまお届け❤️

ママ

あおはるハウス、無事に届きましてお出迎えしました😊✨

やっとあおはるちゃん達が安心して帰って来られるお家ができてとっても嬉しいです。

本当にありがとうございます。

あるみ

まあまあまあまあまあ‼️🤩

お出迎えっていう言葉がぴったり。

総出ですね〜❣️ウケるー🤣

あおはる広場が早速乗っ取られているしー🤣🤣🤣

ママ

お友達大集合です!!笑

スタメン落ちしてこの中に入れなかった子達もいるので今後メンバーチェンジもあります!笑

ぶりぶりざえもんは図々しいやつなんです🤣

それにしても、、、ぶりぶりざえもんとやら、

シンデレラフィットですな🤣🤣🤣

気づいたらご主人がさりげなく配置換えしていたりと、

もう完全に巻き込まれているご様子🤭

あおはるちゃんとこんな日が来るなんて、スバラシイですね😆

たましいのおうち体験についてお伺いしました

なぜ「たましいのおうち」を作ってもらおうと思いましたか?

『おうち』というのがとても良いなあと思った。あおはるちゃんが安心していられる場所があれば良いなと思った。お空でどこかに遊びに行ってもさまよわずいつでも帰って来られる場所になるんじゃないかと思った。

そしてあおはるちゃんは、ちゃんといたんだよって、私達のもとに生まれてきてくれたんだよっていうことの証になるんじゃないかと思った。

完成するまでどのようなお気持ちでしたか?

あおはるちゃんを失った悲しみにどう対応すればいいかわからなかった。あおはるちゃんにしてあげられたことが少なすぎて、でももう何も出来なくて、喪失感でどうしょうもなかった。

あおはるちゃんのことをもっとみんなに話したい。でもなかなか話せない。苦しい気持ちがぐるぐる自分の中でめぐっていた。

できあがってどのようなお気持ちですか?

やっとあおはるハウスをお出迎えできて嬉しい気持ち。家の中が明るくなった。あおはるちゃんに見立てたお人形もできて、お友達もたくさんいて、ときどきお友達があおはるハウスに遊びに来たり乗っ取ったり(笑)

あおはるちゃんもきっと寂しくないかなあ。これからもあおはるちゃんと一緒にたくさんの思い出を作っていけたらいいなと思う。

このご縁の中で、心に残っている事はなんですか?

あおはるハウスを作っていただく過程で、誰にも訴えようのない話をたくさん聞いていただけて本当に心が軽くなりました。

最初は母にも話したい事を話せなくて苦しんでいましたが、話していいんだよって教えてくださったおかげで、今ではちゃんと苦しくなった時には母に話ができるようになりました。

職場の人とも気軽に話せるようにと作っていただいたあおはる広場は、なんとなくまだ自分が自然に話せるぐらいに気持ちの整理がついていなくて、まだ家の中にありますが、いつかいろんなところに一緒に持って行けたら良いなと思います。

ずっと延期にしていた結婚式も挙げる予定で、あおはるハウスも賑やかに飾るつもりです。いつかその写真もお見せできたらなと思います。

本当に行き場のないどうしようもない気持ちを聞いてくださって、心が救われました。

あおはるハウスも素敵に仕上げてくださって本当にありがとうございました。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。