2-1:小さな天使にお仏壇…違和感がハンパない。
私達は、息子が亡くなった後の事を、
産まれる前から話し合っていた。
まだ産まれてもいないのに・・・・
と思わずにはいられなかったけれど、
現実を脚色して、その事を考えないのは、
ただの現実逃避だと思った。
でも違和感は半端なかった。
産まれてもいないのに、
お葬式だとか、お仏壇だとか、供養だとか
という言葉が出てくる。
ぜんぜんしっくりこない。
宗教にも属していない。
そのものの意味もよく分からない。
息子は、息子だ。
私達の子だ。
仏様になるのかどうとかも分からない。
息子は息子の魂だと思う。
今世を全うして、次の使命を生きるのだと思う。
ただそれだけを、親として見守りたいし、
願いたい。
私は、正直、
意味も分からないまま、
業者の人達の流れの中で執り行われる、
儀式や、形式に全く興味がなかったし、
託したいとも思えなかった。
それが息子の幸せだとも思えなかった。
それよりも、
家族や、祖父母に見守られ、
みんなそれぞれが、想いを込めて、
温かく、本当に心からのお別れをして、
息子のために用意したお花をかざり、
この手で連れて行き、
この手でお骨を拾い集め、
連れて帰り、
家族のど真ん中にいさせてあげたい。
いつもみんなのいる場所に、
息子の居場所を作ってあげたい。
いつだって、みんながみえる場所に。
みんなも息子が見えるように。
いつでも帰って来ていいんだよ。と。
あなたを絶対に忘れない。
私達は、そう決めた。
だから、産まれた直後から、
ダンナさんが猛烈に動き始めた。
父ちゃんが息子の為にやってあげられる事だからと。
「オレ、(陣痛みたいに)痛くないし」
という言葉には久々に笑った。
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。