2-8:私は今、他人を祝福なんてしたくない!!

何もやりたくない日々。

気分転換が必要なんじゃないかと、

家族で1週間ぐらい旅行に行ったりもした。

旅行はとても楽しかったけれど、

やはり何も埋まらない。

行ってきただけだった。

私はどんどん内側にこもっていった。

また、あの箱を取り出して、

心をしまい込み、

厳重に梱包をして、

見えないところに押しやっていた。

息子がせっかく解放してくれた箱だったのに。

何の変哲もない周りの出来事が、

いちいちうっとおしかった。

街で目にするママ達の、

何気ない会話や行動に無性に腹が立った。

我が子の病気を

最新の医療で治療するという新聞記事にも

腹が立った。

虐待のニュースには、胸が張り裂けんばかりだった。

だけど、それを感情で表すことはせず、

せっせと箱の中に押し込んでいった。

前に進みたい気持ち、はてしない空虚感、

苛立ち、いとおしさ、

この複雑な心は誰にも理解してもらえない。

説明しようとも思わない。

だから、多くを語らなくなった。

一見、私はけろっとしているように見えたことと思う。

そんな折、義母からダンナさんに電話があった。

親戚が結婚することになったとのこと。

「結婚式、3人で来るでしょ!?」

と言われたという。

悪気のないこの一言は、

私には、衝撃だった。

義母はとても思慮深い人だ。

いろいろ考えての電話だったと思う。

離れて暮らしているし、全然連絡していないし、

今のこちらの状況を慎重に推し量って、

あえて、軽く言ってみたと思う。

だけど、当時の私には、

それはありえない言葉に聞こえた。

全てを否定され、

息子の事は、なかったことになっていると感じた。

恐れていた現実は、こうしてやってくるのだと、

突きつけられた気がした。

一方、義母に悪気は全くなく、

あちらもまた、私への対応に困り果てていることも

ちゃんと分かっている。

息子のことを、

なかったことなどにするわけないのも知っている。

だけど、私は受け止められなかった。

私は、泣いて叫んだ。

出産直前に初めて泣いて以来の爆発だった。

私は悲しんでいてはいけないの!?!?

私は今、悲しんでいたい。

他人を祝福なんてしたくない!!!

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。