24: 本当の試練がはじまる

入院して4日目、

息子は産まれました。

なにかがおかしいと言われたあの日から、

3週間ほどの出来事でした。

私達は、本当に、

言い尽くせないほどの気づきを与えられました。

それは6年経った今でも、

薄れることはないどころか、

新たな気づきが常に上書きされていきます。

ただ、今だから分かる事は、

気づきととらえても、

反感ととらえても、

出来事は同じだということ。

言い古された言葉だけど、

「自分次第」

なのです。

後者を選ぶのは簡単です。

でも、その代償は大きい。

何より自分がしんどい。

この日までに、

その事を充分に身をもって知ったはずなのに、

試練は、これからだという事を、

この時は分かっていませんでした。

言ってみれば、

その3週間は、

現実問題として、息子をどうするか。

という問題に向き合っていればよかったのです。

そのゴールテープを切ってしまった私は、

さて。

何もない・・・・

ただ、壮大な経験をした。

というだけ。

「何もない」

のです。

そして周りは普段の生活に戻っていくのです。

本当の試練が始まるわけです。

第2章につづく・・・

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

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