16: 怖がっている私をみんなが見たって恥ずかしいことじゃない

母は言った。

怖いと思うよ。

自分でも体験したことがない様な事を

娘が体験しようとしてる。

計り知れないけれど、

怖いと思うよ。

良くも悪くも

いくつになっても、

親の一言というのは、

効く。

私は、母が寄り添ってくれたことで

(むろん、ずっと見守ってくれてはいたけれど)

落ち着きを取り戻し、

もう少し考えるわ、と電話を切った。

私は、今怖いのだと知った。

その事をずっと考えていた。


ずっとずっと押しやっていた、

厳重に梱包された箱が

胸の奥底にあった。

その箱の中に、

私の一番大事なものが

入っているのを見つけた。

私のココロ。

大事なものは、

そんな箱に入れておかなくていい。

誰にも見られない様に、

厳重にしまい込んで、

自分でも見えないところに押しやって、

はたしてそれで、

本当に大事なものだと言えるのか??

解き放とう。

箱はいらない。

梱包しなくていい。

見えるところに出してこよう。

そして、今私が感じるままに、

みんなに見てもらおう。

怖がっている私を

みんなが見たって、

恥ずかしいことじゃない。

喜んでいる私を

みんなが見たって、

疎まれるわけじゃない。

悲しんでいる私を

みんなが見たって、

怒られるわけじゃない。

みんなは、もっとやさしいのだ!

そこに行き着いた時、

止めどなく涙が溢れた。

関わる全ての人達へ

感謝の気持ちで苦しいぐらいいっぱいになった。

助けてもらっていいんだ!

これが息子からのギフトだと思った。

お母ちゃんに、

気づかせるために来てくれたんだ。

そんなタイミングで、

滅多に連絡なんてしてこない弟から

メールが入った。

「一人でかかえこまんで、

周りの人に助けてもらいや!」

たった一文。

この状況を知るよしもないはずなのに、

あっぱれだ。

あぁ、私には、

こんなにも助けてくれる人達がいるんだ!


「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

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