13: 心拍数がみるみる下がっていった

入院して、まずなにをしたのかはよく覚えていないが、

とりあえず、逆子を直す必要があった。

無事に産むためにはやはり逆子は危険だった。

初日からあらゆる方法を試してみたけれど、

やはり全然動いてくれず、

むしろ今の状態が心地よさげだった。

だけどやはり危険だ。

このままでは産めない。

先生達は、最後の手段として

外回転術という、処置をしようと言った。

お腹の外から、赤ちゃんを誘導して

回転させる方法だ。

成功率は高いが、リスクがないわけでもないらしい。

空腹時を狙うため、

翌朝一番で行うことになった。

翌朝、

万全の体制で、

息子の心拍を確認しながら

主任の先生が、お腹を押し始めた。

同時にエコーでも息子の様子を確認しながら。

心拍数に注意しながら。

息子は昨日と変わらず、

「ボクはここにいるよ。この格好で。」

という風に見えた。

とても落ち着いていた。

主任先生がお腹を押 して誘導を始めた数秒後、

息子の体が前傾姿勢を取り始めた。

エコーで全てが確認できる。

それと同時に、

心拍数がみるみる下がっていった。

主任先生が手を止めて言った。

「あ、、しんどいんや、、、、」

息子は、臍帯が首に巻き付いている。

おそらく何重かに。

前傾になることで、首が締め付けられたということは、

容易に想像できる。

先生が手を止めると、

息子は元の位置に戻り、

しばらくしたら心拍も回復した。

先生達は、困っていた。

そして、息子の様子をみて、

外回転術を中止した。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

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