4: とどめの一言「大きい病院に行った方がいい」
「逆子は結果であって、
問題は別のところにある」
先生は、エコーで頭のあたりを
よくよく診ながらそう言った。
そして
トドメの一言。
「大きい病院に行った方がいい。」
産まれてこのかた、
超健康優良児の私は、
一人目の出産まで、
入院どころか、
点滴すらしたことがなかった。
それがここにきて、
小説やドラマで聞いたような一言を
この私が言われるなんて。
大きい病院に行った方がいい。
まさかこの段階で、
何かが起きるなんて、
想定外もいいところだ。
いや、でも先生は言った。
「紹介するから、スグに行きなさい。」
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あぁ、現実だ。
逃げてもしょうがない。
向き合おう。
私は、おそらく
たぐいまれなる、
屈強な精神力を持ち合わせている。
そんなものは欲しくもないし、
捨ててしまいたい。
あっさりと誰かに頼って
さめざめと涙していればどんなに楽か。
だけど、こういう局面で
必ず背筋が伸びて、
一人で受け止めてしまう。
それが私。
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。