2-2:業者に託さなくても、最高に見送るやり方はある。
息子を産んで、
数日間入院して療養してから、
自宅に帰った。
その間にダンナさんが奔走してくれた事は、
病院から書類を受け取り、
役所に行って、
出生届を出す。
同時に死亡届も必要だったけど、
産まれたという事は、
戸籍に名前が載ることで、
一瞬でも社会の一員になった。
期せずして、
保険証などを受け取ることになった。
病院でも、診察券が発行された。
息子の名前が記載された私物。
今でも宝物だ。
そして、役所で発行された死亡届を持って、
火葬場での手続き。
業者は通さず、
自分達で連れてくること。
お骨を全部拾いたいこと。
これには訳があって、
息子は骨の病気だったから、
要するに骨がもろい。
もしかしたら、骨は残らないかもしれない
と病院で言われていた。
担当の人は、親身に話を聞いてくれたという。
できるだけ残るように、
全部拾えるように、
計らってくれることになった。
そして、旅立つ時の
お棺。
男の子の赤ちゃんらしく、
みずいろのくまちゃん柄の
かわいらしい棺にした。
それから、お花。
お気に入りのお花屋さんで、
当日の朝受け取れるように
段取ってくれた。
好きな花をいっぱい入れてもらった。
退院の時点で、
そこまでやってくれていたので、
帰宅後は、
お別れの日まで、
本当に家族みんなで、
息子を囲んで過ごすことができた。
娘もお姉ちゃんぶりを発揮して、
絵本を読んであげたりしていた。
家族が増えた幸せを感じていた。
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。