3-8:人生で一番感謝したい人

他者を変えることはできない。

だけど自分は今この瞬間から変えられる。

自分が変わるだけで、

世界はまるで違って見えます。

娘がいるだけでイライラした事もあったのに、

今では、いるだけで愛おしい。

娘はなにも変わってはいないけれど。

だからもちろん、

ふんづまっていた仕事も家庭も、

急に回り始めるのです。

過去の出来事というのは、

今の自分がどう意味づけるかによって、

いくらでも変える事ができます。

息子の事を、

ありえない事実として、

だから私の人生はもう終わったんだとすることもできる。

幼い頃の経験が辛すぎて、

私は生涯幸せになれないと、

悲観して暮らすこともできる。

ひねくれて、自暴自棄になることなんて簡単だ。

だけど私はそうはしなかった。

したくなかったのだと思います。

それはやっぱり、そんな状態でも、

どこかから、私の心の声が聞こえていたのだと思います。

そうはしないでほしいと。

だから、耳を傾けることができたのだと思います。

今では過去の全ての出来事に感謝できます。

それを乗り越えてきてくれた私に、感謝しています。

辛くて消してしまった記憶でさえも、

乗り越えてくれた小さな私のおかげで、

今の私がいるのです。

そして、過去の出来事が私に教えてくれたことは、

計り知れない。

今、私が人の痛みを分かりえるのは、

過去の経験がもたらしてくれたものに他ならないし、

目を背けたい現実に直面したことは、

物事の本質を見られるようにしてくれました。

全ての過去が、今の自分を作っているのです。

だとしたら、今の自分が未来の私を作るのです。

今を大事に生きないで、未来の心配をすることは、

どれだけ意味をなさないことかが分かります。

20代前半、

木のおもちゃ作家になるんだ!

と息巻いて、日本を飛び出したとき、

「明日死んでもいい人生を送るんだ!!」

と豪語していた私は、

ちっとも間違っていなかったなと、今でも思います。

そんな私が繋いでくれた今なのです。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。