2-11:楽しくワイワイ生きる事は、天使に申し訳ない気がしていた。
私は意識のどこかで、
私や家族が、楽しくワイワイやっているのは、
息子に申し訳ない気がしていた。
ここに居られなかった息子に申し訳ない気がしていた。
Sは断言した。
「Kくんが、あるみ(私)に、
苦しんでいてほしいなんて思っているわけがない!
普通はお母さんに、
幸せになって欲しいと思っているに決まってる!!」
その言葉は新鮮だった。
逆に言うと、
私が苦しんでいることで、
息子を苦しませていることになる。
お母さんを苦しませている原因は自分だと思わせてしまう。
私は何度もSに確認した。
「本当に私が楽しくやってていいの?」
何度聞いてもSの答えは
「あたりまえやろ!」
だった。
『みんなの力を借りて、
私が私であること』
また忘れていた。
もう何度目だろう。
「お母ちゃん、本当に分かっていない!」
と息子に言われているようだ。
私はこれで、
今まで背負い込んでいた鎧のようなものが
やっと脱げた感じだった。
私の思うままに、
みんなを巻き込める、
息子の居場所を作ろう!
誰もが息子をいつでも近くに感じられる場所を。
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。