2-10:私が私の気持ちを理解しないで、周りの人が理解できるわけがない!
そんなつもりはなかったけれど、
私はSにぶちまけていた。
誰にどう言われて、どんな風に腹が立ったのか。
誰のどんな反応に傷ついたのか。
誰に何を言われて悲しかったのか。
なんでなかったことにされるのか。
なんでなかったこととして、振る舞わなければいけないのか。
あの箱に詰め込んでいた、
なんで、なんで、を
1つずつ取り出して、Sに投げた。
Sは1つずつ受け取って、
浄化し、宙に放った。
安心して投げ続けることができた。
そうやって、
うわべの「なんで」を投げていると、
ついに、箱の底の方にある、
私の核心に辿り着いていた。
あぁ、私は、壮絶な経験をしたんだ。
そんな経験の後は、休んだっていい。
しんどくてあたりまえ。
私が私の気持ちを理解しないで、
周りの人が理解できるわけがない。
私が私の気持ちを言語化したら、
周りはそれに応じてくれる。
何もなかったかのようにしているのは、
私自身なのだ!!
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。