2-4:できることならずっと抱っこをしていたい…肉体とのお別れ
お別れの時は、迎えた時と同様、
家族と、両方の両親で見送ることにしていた。
朝から自宅に集まって、
各々が想いを込めてお別れをした。
私はやっぱりずっと抱っこをしていたくて、
最後にもう一回
を何度もくり返した。
棺に入れる前には、
よそ行きの産着に着替えさせてあげた。
お着替えなんて、数えるほどしかやってあげられていない。
息子の体をじっくり見ることもなかなかなかった。
産まれてきたときには、真っ直ぐだった足は、
抱いて下ろしてをくりかえしているうちに
骨折してしまっていた。
本当に、
がんばって産まれて来たんだ、この子は・・・・
自分の人生を生きるために。
きれいに体を拭いてあげて、
お着替えをして、
本当に最後の抱っこをして、
棺に入れた。
できるだけ骨を残すように、
棺には、燃えにくいものは入れないほうがいいとのことで、
そこは両親達にも協力してもらった。
義父は、男の子だからと、
野球のグローブを入れたかったのに、
がまんしてくれた。
娘は、折り紙でつくった作品やお手紙を
一生懸命入れていた。
みんなでお花を添えた。
車に乗せて、火葬場に向かう途中、
ずっとパトカーが前を走っていた。
息子のために先導してもらっている様で、
なんだか心強かった。
男の子だから、息子も嬉しかったと思う。
火葬場の担当者さんは、
とても親切に対応してくれ、
骨が残るといいですね
と言ってくれた。
そして息子は旅立った。
「たましいのおうち」について
木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。