2-3:お別れがつらいのは、言ってみればこっちの都合だ

退院してから、

息子が家族と過ごした数日間は、

それぞれの記憶にどう残っているだろう・・。

誰一人として、

忘れることのない想い出になっているのではないだろうか。

期限付きの、

目に見える家族のかたちだった。

3歳だった娘も、

この形のある弟とのお別れの日が来ることを、

理解していて、

「あした、いっちゃう日??」

と聞いていた。

お別れの前日はつらかった。

もう、息子を抱けないと思うだけで、

理性がなくなりそうだった。

「こんなにかわいいのに・・・」

そう言ってしまったら、

もう涙は止まらなくなった。

でも、それは、私の感情であって、

私の想いであって、

言ってみればこっちの都合だ。

息子は息子の使命を持って、

自分の意志でやってきて、

産まれて、閉じた。

あなたを見守ります。

あなたが使命を全うできる様に

応援し喜びを感じたい。

あなたの生も死も、

まるごと全部受け入れて、

あなたの魂とまた会える日を信じて、

私は、私の人生を生きる事。

それが私がやるべきこと。

「お母ちゃん、

ボクはボクの人生を生きたよ。」

今でもずっと、

こう言われ続けている気がしている。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

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