3: 9ヶ月目のある日、事態が一転した。

やっとできた二人目は男の子だった。

性別が分かる前から、

男の子だと確信していて、

男の子には似合わない娘のお下がりを

早々に処分しようとしていたぐらい。

つわりの感じから、何から何まで、

娘の時とは違っていた。

性格も全然違った。

そこそこ大きくなってくると、

お腹に入っていても

性格や好みぐらい分かる。

人が大好きだった娘に比べ、

息子はとんでもなくマイペース。

ものっすごい変わった子だなぁと

思っていた。

どこか神秘的な雰囲気ももっていた。

2回目ともなると慣れたもので、

つわりさえ過ぎれば、

経過は順調だった。

そして、9ヶ月目のある日、

事態が一転した。

息子は何度も逆子になった。

逆子になったり元に戻ったりを

くり返していた。

ぐるぐる回りたい子なんだと

大して気にもせずに過ごしていたけど、

そろそろ大きくなってきたので、

正常に戻れなくなる可能性があるという。

逆子体操をしたり、

話しかけたり、

ツボを押したりしていた。

それでもなかなか直らない。

ちょっと気になるね。

と先生が言いながら、

詳しくエコーを診ているうちに

これは、

逆子の問題ではないかもしれない・・・・

と言った。


「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。

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