「娘がいつでも戻ってこられるようにしてあげたい」そらちゃんのおうち

『7ヶ月の妊婦健診でお腹の赤ちゃんが心肺停止していると告げられました。

死産というワードが頭から離れず、その日から何がいけなかったのかを検索する日々です。

そんな中で「たましいのおうち」にたどり着き、多胡さんのあたたかいツリーになんだか惹かれ、わが子にも何か残してあげたいと思い連絡させていただきました。』

娘ちゃんのお骨壺を見る度に涙が溢れる日々を過ごしているので、また娘ちゃんが戻ってこられるようにしてあげたいとご相談を受けました。

ふとした瞬間に涙が出てくる日々です

大阪府にお住まいのOさんご夫婦と2歳の息子くんのご一家です。

そらちゃんを死産されて間もなくのご相談で、まだまだ傷が浅く混沌とした中にいる様子も伝わってきました。

ママ

産院でお話しを聞いてくれる時間があって、

こういう事で少しずつ向き合えているのかなと思っているんですけど、

家の中でお骨壺が目に入ると、涙が出てくるんです。

あるみ

今はそれがあたりまえの反応ですよ。

おかしいことではないし、その気持ちにフタをしないでしっかり感じる段階です。

ムリをして自分を駆り立てる必要は全くないので、

これからそらちゃんのためにいろいろ考えていく時間の中で、少しずつ整理されてきますよ😊

そういう作業をしてみたい

今現在は、火葬してご実家のお仏壇にお骨壺を置いている状態とのこと。

産後の状態が落ち着いたらご自宅に帰るので、どういう風にしてあげられるのか調べているときに、

たましいのおうちのHPを見て、作ってあげることができるんだと思ったのだそう。

ツリーが印象的で、こういう雰囲気が居心地良く癒されたので、これしかないんじゃないかと思えて、お話しを聞いてみたかったんです。

とおっしゃってくださいました。うれしい😊

ママ

他の方の作品を見たらイメージが広がって、

あるものを買うんじゃなくて、(いろいろ考えて創り上げる)こういう作業をしてみたい!って思ったんです😆

お話しを聞いていて、このママは想像力がおありなんだなぁと思えました。

制作もスムーズに進む予感がありました。

ママのお仕事を聞いてみるとピアノの先生とのことで、納得‼️

イメージをカタチにするのに慣れているというか、頭に浮かんだイメージを掴めるに人に違いない👍

こういうタイプの方は特に、創り上げる過程で、

考えて練れば練るほどご自分が癒されていくはずです。

お骨壺をギュッとしたい

お骨壺はずっと置いておくつもりなので、それを収納しつつも目に見えるところにいてほしい。

ツリーとおうちのセットにして、リビングに飾れるように。

お客さんにも違和感なくしたい。

たまに取り出して、ギュッとしたい(←これが一番ホンネだと思いました😆)

ということなので、

お骨壺の出し入れがしやすく、視線を遮ることもでき、かつリビングに馴染むように。

この条件でデザインすることになりました。

ママ

今日はありがとうございました。

メンタル的な話も、なかなか人と面と向かって話した事なくて、

でも今日話しているだけで、少し変われるかなと思えて、

実は今日、お話しするのちょっと楽しみでした😆

デザインが決まりました

お骨壺がまるごと入れられる扉付きのおうちにしました。

でも扉を閉めた時に中が真っ暗にならないように、

背面に大きな窓と、扉には桜の透かしを入れます。

ちょうど桜の季節だったので、どこかに桜を入れたいというパパからのたってのご要望です。

それから、ママの癒やしも兼ねて、フォントをデザインしてみませんか?

と提案したら、「そんなことできるんですか!?やってみたいです!😆」

とのことなので、「そら」の文字はママフォントで作ることになりました。

ママ

そらちゃんのおうちのことを考えていると癒されるんです。

完成したおうちのことを考えて掃除したりレイアウト考えたりするのが楽しくて。

気持ちを向けてあげられるっていうのがすごく癒されるんです。

やっぱり!提案してよかった!

以前より笑っている時間の方が多くなってきているそうで、お仕事にも復帰され、以前の日常が始まっているけど、ムリして忘れようとしなくていいし、戻らなくてもいいと思える様になったとお話しくださいました。

当初よりも前進されているのが伝わりました〜😊すごい〜!

制作開始です

材料を揃えて制作開始です。

必要なパーツを切りだし、組み立てていきます。

扉のパーツができてきたので、フォントにも着手してもらいます。

ママ

いっぱい描きすぎて、分からなくなってきました・・・😅

あるみ

大丈夫です。描きすぎるとそうなるんです😆

いくつかのアドバイスを元に、厳選した文字を、極太にしてもらって出てきたデザインがこちら↓

あるみ

わぁ!かわいい!

ではラフ案作ってみますのでお待ち下さいね〜!

このママフォントから一つ選び、その通りの形に切り出します。

扉に桜の透かしも入れて、パーツがだんだん揃ってきました。

ちょっと組み立ててみるとイメージ湧いてきます。

ママ

すごい!

桜の形もキレイで、可愛らしいそらの文字も!ワクワクします😆

今日は実は、そらちゃんの予定日にあたる日でした。

こんなご連絡をいただけて、良い日になりました!

そんなやりとりをしているうちに、

最近、ずっと飼っていたワンちゃんが老衰で亡くなられたというお話しに。

あるみ

そうだったのですね!

それはワンちゃんもそらちゃんと一緒にいますね〜。

ワンちゃんも作りますか?

ツリーの辺りにワンちゃんがいるのもいいかな〜と思いました。

ママ

ワンちゃんも作っていただけるんですか⁉️

それなら2匹お願いしたいです。一昨年に亡くなった子の分も。

大切な家族なのでみんな集合している感じにできると嬉しいです😆

と、そんなワケで、ワンちゃんズも作ることになりました。

そういえば、以前にも同じような流れで、ねこズを作ったことがありました。

今回は、ミニチュアダックスフンドを2匹です。

その前に、ツリーを作って、そらハウスの屋根もつけないといけません。

いよいよ最終局面です。ついにワンちゃんズに着手。

2匹の特徴なんかも聞きつつ、こんな感じのお二人に。

ママ

写真でこんなに可愛いなら実物はもっと素敵なんだろうなって想像できます✨

嬉しいです!まもなくなんですね!すごく楽しみです!!

完成しました

お骨壺がすっと入る、そらちゃんのおうちです。

初盆に間に合わせたいとのご希望をなんとかギリギリ叶えられました🙌

届きました!

ママ

無事にそらちゃんのおうちが届きました!

とっっっっっっっても可愛いです!!!

想像していたのよりもずっと!

箱を開けた途端に息子もワンちゃんで遊び出したり、扉を開け閉めして興奮しております。

と大興奮のお写真と動画が送られてきました。

この、お骨壺がしっかり収まったお写真を見て、私は心底ホッとしました。

サイズをお聞きして、何度も測って確認はしていたのですが、

実際本当に入るのかどうか、内心めちゃくちゃドキドキしていたもので・・・。

あるみ

すごく可愛らしくセットされていていいっ!

何よりお兄ちゃんの嬉しそうな様子がこちらまで伝わります。

お盆も楽しみですね〜。きっとまた不思議なこと起こりますよ〜😊

ママ

本当に開けた瞬間、感動でした!!

主人も、すごい!すごい!と感動していました!

本当に感謝しきれません。ありがとうごいざいました!

またダメになった時は話しを聞いて下さい。

このところ、そらちゃんが近くにいるのかな?と感じるような不思議な事がよく起きるそうです。

ココロが整ってきている証拠ですね。そらちゃんとワンちゃんズが見守ってくれていますよ〜😊

たましいのおうち体験についてお伺いしました

なぜ「たましいのおうち」を作ってもらおうと思いましたか?

妊娠7ヶ月の時、赤ちゃんがお腹の中で天国にいってしまい、それから毎日自分の何がいけなかったのだろうと考えるばかり。その中でこれからどう向き合って生きていけばいいのかと考えるようになり、何かにすがりたい思いでネット検索する日々を過ごし、同じような経験をしたママがたくさんいることを知り、そして「たましいのおうち」に辿り着きました。

私達夫婦が今してあげられることは、いつでも帰ってこられるように、いつでも娘を感じたい、ありきたりではなく特別な何かを残したい、そんな思いがあり制作をお願いしようと思いました。

完成するまでどのようなお気持ちでしたか?

少し気持ちが落ち着いてきたかなって思っていても、やっぱり小さな骨壺を見ると時々苦しくて、辛い日を思い出してしまう気がして目をそらせてしまう日や、でも声をかける日もあったりと何か気持ちが落ち着かない感じがずっとしていました。

できあがってどのようなお気持ちですか?

ホッと力が抜けた感覚になりました。目頭が熱くなりました。今までよりもずっと近くで娘を感じるようになりました。

いろいろ思い出してしまう事はありますが、目を逸らすことはなくて、ほんとうにそらちゃんがそばにいる気がしていて何か不思議な感じです。

もうすぐ3歳になる息子が、妹のおうちやツリーに触れたりして遊んでいる姿を見て、二人で一緒にあそんでいるように見えてとてもほっこりした気分になります。

目には見えないけど、何か感じる。言葉では言い表せない本当に不思議な感じです。

このご縁の中で、心に残っている事はなんですか?

まずは本当に私達家族のために心を込めて作ってくださりありがとうございました。

ネットを拝見していたからなのか、初めてお会いする感じがなく、多胡さんの寄り添ってくださる温かさやかけてくださる言葉、「泣きたい時は泣いて下さい」という一言にとても心が救われました。

完成するまでも進捗状況を何度かしてくださり、それが楽しみで楽しみで仕方がなかったです。

作業途中の写真が送られてくる度に家族みんなに見せ、どんな感じかなぁ〜、もうすぐだねぇ〜、おうちに合う棚を買わなきゃ、と前向きな話が多くでるようになり、少しずつ気持ちの変化を感じるようになりました。

「たましいのおうち」について

木工作家の多胡歩未が、自身の経験から、子どもを亡くしたご家族が前を向いて生きていくための、家族の「かたち」を一緒に考え、オーダーメイドで作ります。